状況認識と行動特性から見た臨床工学技士のスキル評価と作業環境の適正化(臨床工学科 鈴木聡教授)>(2017.11.17)

臨床工学科 鈴木聡教授

“知識”だけでなく“技能”が要求される医療スタッフの行動特性について、どうすれば適正に評価・育成できるのか? さまざまな場面における方法論を提案し、レジリエンス行動の強化を目指します。

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医療職は国家資格などの資格を取得することがはじめの一歩です。職種により異なる部分はありますが多くの場合、資格取得後は各専門領域において研鑽を積み、学術団体や職能団体などの認定試験を受験することにより専門性を高めていくのが一般化されています。例えば医師であれば6年間医学部で学んだ後国家試験を受け、医師になってから研修期間を経て専門診療科で経験を積んで認定医や専門医さらには指導医などの学会レベルの試験を受験して認められます(受けた認定は更新制で、維持するために一定の研鑽が必要)。このような仕組みは臨床工学技士や臨床検査技師などの医療職でも同様で、様々な試験を受けることになります。

ところで、病院で注射や採血された経験は多くの人が持っていると思いますが、このような行為(医療行為ならびに診療の補助行為)は一定の医療系の有資格者でなければなりませんが、「上手に血管に針を刺す」という行為(=作業)は知識だけあればできるものではなく、技能(この例ではテクニカルスキルの側面が大きい)が要求されます。ところが前述の国家試験は現在のところ筆記試験であり、学会等の認定試験も多くは筆記試験が中心です。つまり“知識”は評価され、一定レベル以上であることは確認されていますが、“技能”はあまり評価されていないのが現状です。

求められる技能は“どのような作業が要求されるか”や“どのような環境で作業するのか”など、条件によって影響を受けます。さらに個人の行動特性や思考特性によって行動が決定付けられます。

従って、場面ごとに技能の測定・分析・評価を適正化し、それらの成果を教育や作業環境にフィードバックすることが必要となります。

本研究室では主に臨床工学技士が行う作業(治療業務・医療機器の管理業務など)を対象に、技能や知識との関係(行動形成要因とパフォーマンス)を明らかにし、効果的な技能評価法や育成方法の提案を行っています。

文献1)Maeda Y, Suzuki S, Komatsubara A:Cognitive Task Analysis for lnterface Designs to Assist Medical Engineers in Hemodialysis Machine Troubleshooting. Proceedings of the 19th lnternational lConference on Hunan Computer lnteraction 6, 101-114, 2017
文献2)前田佳孝,鈴木 聡,小松原明哲:血液透析施術中の状況変化に対するベテラン臨床工学技士の対応とそれに必要な内在知識の明確化.日本経営工学会論文誌66(2), 130-138, 2015


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